チャーチルの夏、命輝くところ

 

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地球温暖化で氷が張らないので、アザラシ狩りに行けない母子のシロクマ

 

地球温暖化〜変わる極北の命。何か変だぞ、ここ極北の村・チャーチルでも

(その一) シロクマの涙、その原因が人間ではないと言い切りたい。変わる極北の命

"観光"は"光を観る"と書く。朝夕の日差し、四季折々の光のうつろいと、まさに旅は光を観ることである。

光を観たら、今度は観察してみる。観て推察するのが観察だろうが、察して観ると置き換えれば、心の中で想像をすることになる。それ本当?と胸に手を当てるのが旅だ。

大きな木の幹に耳を当てれば、水の音が聞こえるだろう。地中を流れている水を知る。

五感を通すことなく、本、映像、インターネットでも知ることはできるが、身に降りかかる命の危うさ、他への痛みなど、見えないものへの想像力まで広がらない。想像力は、体験してこそ得られる。

 

図書館や研究室に行けば、なにごとも想像が出来るとは限らない。映像などを見るだけでなく、五感を屈指して行動をすると、身に降りかかる恐怖や命の危うさが分り、時には他のものの痛みなど、見えないものへの想像を働かせられるようになる。

想像する力は、感動する体験や生活感覚の中から生まれてくるものだ。

それがない人に想像力を求めても限界がある。インターネットなど検索はいくらでも出来る時代になった。その分、プロセスや体験軽視でもやっていける時代に思われがちである。

いろいろな意味で、心の底から感動をしたい。恐怖、悲しみ、痛みなど様々な体験をすることで、想像力は格段と違ってくる。他人の痛みも物の価値がよく見えてくる。  
何もすることのない極北の週末には、あちらこちらの家で小さなパーティが開かれる。招かれれば、喜んで訪問する。そこで体験をしたことは、想像力から知恵へと転換するきっかけとなることが多い。



チャーチルへ通い始めて9年目にもなると、今まで気付かなかった命を感じることがある。自然への驚異といえばいいだろうか。

今は永遠だと思うのは、大きな間違いである。極北の命のありかを見れば分かる。
シロクマが、地球の気候変動で苦しみ始めているのである。まるで涙を流しているようだ。その原因が人間ではないと言いがたい。
いつかこのシロクマの涙が、人間の涙にならなければ良いのだが・・・その変化はピッチを上げ始めているような気がする。数年先かもしれない。
    

 

暑さを避けて海のなかへ、あるいは海岸で涼を取る。

それもこの数年、その変化はピッチを上げ始めているような気がする。    


<ホッキョクグマ>温暖化と汚染で生存危機 WWF報告(2002年)より

 地球温暖化に伴う活動域の減少と有害な化学物質の影響で、ホッキョクグマの生存が脅かされている。

陸上最大の肉食動物であるホッキョクグマは、現在2万頭以上生息している。
北極圏の「生態系ピラミッド」の頂点にあり、その生存の危機は地域の生態系全体の悪化を示している。

 報告書は各国の研究者がこの20年間に発表した観察や分析に基づいて作成された。

 北極圏の平均気温は100年間で5度も上昇した。地球全体の気温上昇の約10倍に当たり、海域によっては海氷面積が30%以上減った。ホッキョクグマは氷の上を移動してアザラシや魚を捕獲しており、報告書は「海氷が解けるのが1週間早くなると、ホッキョクグマはエサを食べる機会が奪われ、体重が約10キロ落ちる。カナダで観察されたホッキョクグマの栄養状態は悪い」と指摘した。

 ノルウェーは約2000頭のホッキョクグマが生息するが、体内から高濃度のP
CB(ポリ塩化ビフェニール)が検出されたり、ペニスのある奇形のメスが1・5%の
割合で見つかり、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)の影響が疑われている。報告書は「ホッキョクグマは人間の居住地域とほとんど重ならない、手付かずの環境で暮らしている」と述べ、有害物質による汚染が地球全体に拡大していることを懸念している。


    




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